Jun Mitsui & Associates Inc. Architects|Pelli Clarke Pelli Architects Japan, Inc.

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Staff report20/10/2016


海外視察 シンガポール&シドニー&オークランドレポート

写真上段左/オーストラリアシドニー(引用元:Desktop wallpaper HD ) 写真上段右/ニュージーランドオークランド(引用元:Wikimedia ) 写真下段/シンガポール(引用元:Seesaa wiki/ニュージーランド総合Wiki )

今回の海外視察レポートは、スタッフの大津よりお伝えします。

2020年に東京湾岸を中心に開催予定の東京オリンピック。
世界中のメディアで取り上げられ、オリンピックはもとより日本、東京のさまざまなまちの風景が世界中に配信されることが予想されます。

そこで私は、世界中の人々が日本のまちを見たとき、訪れたい!住んでみたい!働いてみたい!と感じるまちとはどのようなものなのかを探求する旅に出ました。
私が今回視察した各都市は、インテリジェント・ユニットが年に1回発表している「世界で最も住みやすい都市」を参考に視察をしてきています。このランキングは、世界140の都市を安定度、保健医療、文化・環境、教育、インフラの5つのカテゴリーの評価を元にランキングを決定しています。

その中でも上位にランキングしているシンガポール、シドニー、ニュージーランドのオークランドを今回の視察都市としてあげました。
基準となる項目は30以上存在しますが、私なりに今後の東京、日本で活かせる部分は何なのかを視察を通して感じた事をレポートさせていただきます。


《シンボリックな建物は人の記憶に残る》

各都市には必ずシンボル性の高い建物が存在する

マリーナベイサンズ、オペラハウス、The Cloud共にシンボルリックにデザインされ、まちのアイコンになる存在です。さらに建物内部ではファッションショー、国際会議、屋外コンサートなどさまざまなイベントが継続的に開催され、昼夜問わず人々で賑わっています。
私がシドニーに訪れた際にはオペラハウスで屋外コンサートが開催されていました。

シンボリックな建物が訪れる人を惹きつけ、内部で行われるさまざまなイベントが継続的に人々の賑わいを生みだしていることを改めて実感しました。人の記憶に残るまちの風景のひとつにシンボリックな建物は必要不可欠ではないかと感じました。

シンガポール マリーナベイサンズ

シドニー オペラハウス

《地上で賑わいを生み出せばまちが活気づく》

今回私が訪問した都市は温暖な気候を活かし、外部空間での賑わいを生み出していることが、ひとつの特徴でした。

日本の気候ではなかなか実現することが難しい外部空間の有効利用ですが、訪れた都市すべてで有効利用が行われています。
シドニーのオフィス下のレストランは毎日夕方になるとオープンしていました。オフィスワーカーが一日の終わりに仕事仲間と食事を楽しんでいる光景を目にしました。さらにオークランドのレジデンス下のレストランでは、休日に家族でゆっくりランチを食べながら談笑している家族の光景を目にしました。

このように外部空間の有効利用は内部空間で完結される人々の賑わいを外部空間に溢れ出させ、まちの活気を生み出しています。
最近の日本でもこのようなオープンテラスがある空間は徐々に増えてきていますがどこにでも存在するものではありません。
今後のまちづくりにおいて積極的に導入していくべき用途だと感じました。

シドニー オフィス下のレストラン

オークランド  レジデンス下のレストラン

《個性を持ったタワー群の風景が、行ってみたい都市になる》

個性が異なるタワーデザインが、独自の都市景観を生み出す行ってみたい都市になる

超高層ビルが建ち並ぶシンガポール マリーナエリアとシントン・ウェイエリアです。異なるデザインの超高層ビルが建築されていますが、遠くからまちを見た時にひとつの群として見えてきます。初めてシンガポールを訪れる人にとっても、目印となるエリアの場所が認識しやすいと感じました。実際に私もタクシーに乗る際、「あのビル郡のエリアのあのビルの下に行ってください」とお願いし辿り着くことができました。世界中の建築家がそれぞれのタワーをデザインし、群としてまちの景観をつくることでその都市のインパクトのある風景となり、行ってみたい都市に繁っていくのではないかと感じました。

《まちの中に名所をつくる》

建築に自然要素を取り込んだ目を引く建物

次に紹介したいのが、オーストラリアのシドニーに建築されたワン・セントラルパークです。世界一のヴァーティカルガーデンと言われており、足元にはバーベキューガーデン、レストラン、ショップなどさまざまな用途が存在しています。まちの中にこのような名所が生まれることで、観光する方々が「この国に行ったら必ずあそこに行きたい」と感じていただける場所はまちの魅力を向上させると感じました。
訪れた際には多くの観光客、ファミリー、学生の多世代で賑わっていました。

《まちの中でのアクティビティー》

まちの中ですぐ遊ぶことができる

住んでいる所から、すぐに遊べる場所があるのは魅力的です。東京に住んでいるとバーベキューをするにも1時間程度の時間をかけて会場に向かわなければなりません。シドニー、オークランドでは遊べる場所がすぐ近くに存在します。
ジェット船でまち中を周遊できるアクティビティー、住んでいるマンションから下に降りれば、バーベキューができる会場など休日の時間を有効に使えます。

《地形を活かした水上交通》

渋滞もなく、本数の多い船での移動

シドニー、オークランドには湾岸エリアにオフィスが集中しています。このため多くのオフィスワーカーが船での交通手段を選んでいました。本数も日本の地下鉄に相当する便があり朝、夕には多くの利用者が存在しています。東京の湾岸地域でも、このような水上交通の発達がますます進むと渋滞も緩和され良いのではないかと感じました。

現地の利用者にお話しを聞いてみると、船に乗るのは15分程度でそこからは自転車で住まいやオフィスに通われているそうです。
好きな時間に簡単に乗車でき、渋滞のない水上交通は生活する人々の日常の交通手段として使われ、その土地の地形を上手く利用した良い事例だと感じました。さらには、湾岸に近接する住まいには専用の船着き場を併設し自家用ヨットが停泊しているところもありました。このような場所が、住んでいる所と働いている所の近くに存在することが、住みやすい街の上位に上がってくる理由になっていると感じました。

《まとめ》

今回の視察旅行を振り返ってみて、東京、日本が世界の住みたい都市ランキングの上位に入るには、世界の事例を参考にまだまだ手を尽くすことが多くあるのではないかと感じました。
3都市を訪れ、私自身また行ってみたいと帰りの飛行機の中で感じていました。

それぞれのまちを2日間程度の日程で視察していましたので、見落としている部分も沢山あります。
実際に生活してみて初めて気づく部分もあるでしょうし、見たくない部分もそれぞれのまちに存在しています。
それでも、次の世代の人々がより快適で豊かな暮らしを営めるまちづくりを進めていくことはとても大切なことだと思います。
今後も世界中のまちを旅する中で、日本のまちづくりに活かせる部分を探求していきます。


最後に・・・・
ニュージーランドのとある美術館で面白い企画を行っていました。レゴを使い子供たちが自由に未来のまちをつくるイベントです。ブロックの色はすべて白ですが、それぞれの建物に個性がありました。私もひとつ作ってきましたので、最後に掲載させていただきます。
どれが私の作品か探してみてください。ヒントはJMAです。

Text and Photo by Kazuhisa Otsu