TOKYO BIRTH CLINIC
用途 | Clinic |
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業務内容 | Architecture / Interior / MONO-KOTO Design |
クライアント | 株式会社STARTNOW |
設計体制 | 設計・監理:光井純&アソシエーツ建築設計事務所 |
施工 | 株式会社 安藤・間 |
延床面積 | 1690.16㎡ |
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階数・構造 | 9F/B2F, S/RC |
所在地 | 東京都品川区上大崎3丁目14-19 |
撮影 | 山本 慶太 |
生命の誕生をつなぐ二重らせん構造
長崎から福岡へと産婦人科クリニックを展開するクライアントが東京進出にあたってコンペを開催したことでこのプロジェクトが始動した。山手線内側では初となる無痛計画分娩が可能な施設で、病室19床の計画となっている。
計画地では安全性を高めるため、都道側に新たに擁壁を設けた。その擁壁と上部に構える建物を意図的に連続させることで、都道に面したメインファサードにリズム感のあるカスケードデザインを創出している。
敷地の半分程度を住居地域が占めていたことから、天空率などの手法を用いながら、最大の床面積を計画することを目指した。都道側に大きなボリュームを通りに対して斜めに構え、反対側には車寄せを確保しつつ三層分ボリュームを計画した。こういった創意工夫によってこの地ならではの特徴的かつ立体的なボリュームによって、都市に開かれながらも奥行きのある建築形態をつくり出している。
外装は、生命の象徴であるDNAの二重らせん構造をモチーフとしている。グレーのパウダー塗装を施した押出成形セメント板/ECPとガラス開口部がDNAのようにリズミカルに重なり合い、生命の力強さと躍動感を表現している。長時間滞在する母親や新生児はもちろん、来訪者へのホスピタリティをとても大切にされる本クリニックの特性上、単なる病室ではなくその居住空間の快適性を考慮し、構造計画にも工夫を凝らした。構造計画にもDNAモチーフを展開し、二層ごとに互い違いに柱を配置することで鉄骨柱をできる限りスレンダーにし、室内面積を最大化した計画としている。
クライアントが長年愛用してきた鮮やかな色合いのクラシックな調度品をリメイクして、落ち着いたグレー色を基調したインテリアデザインにバランスよく落とし込むことで、空間に柔らかさと格調を添えている。妊婦や家族の目を楽しませる優しい色彩計画を心がけ、低層部のエントランスホールには長崎のクリニックで使用されていたステンドグラスを再利用し、寛ぎの吹抜空間に優しい陽光を演出した。
生命の誕生の場が、皆にとって優しく柔らかい空間となることを願っている。
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