Jun Mitsui & Associates Inc. Architects|Pelli Clarke Pelli Architects Japan, Inc.

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Staff report20/10/2017


海外視察報告 ニューヨーク

今回の海外視察レポートはスタッフ松木よりお伝え致します。

“都市の魅力とは何なのだろうか?”
世界中にはその場所特有の都市と建築が存在し、中でもニューヨークは、超高層ビルとその隙間に垣間見られるオープンスペースが、絶妙なバランスを保つ都市であると言われています。そこは、人種のるつぼと言われる程、多種多様な人々が生活し、彼らの背後に存在する各々の個性的なカルチャーの集合が、都市にエネルギーと情熱を与え続ける世界屈指の街です。言葉では表現しきれない“ニューヨーク”という都市の魅力を、建築と人々のライフスタイルにフォーカスして今回は追究してきました。

【都市の骨格】

ニューヨークの都市計画は、グリッドシステムにより都市が形成され、高層ビルが高密度で並んでいることが、最も特徴的です。マンハッタンの中央に大きな面積を占めるセントラル・パークの南側には、マンハッタンの中でも超高層ビルが連続するエリアであり、それらが力強い都市の立体感と強烈な奥行き感を創り出していました。

対峙する高層ビル群が力強いパースペクティブを演出する

レキシントンプラザ周辺のオフィス街

【カタチノチカラ】

建築を考えていて、一番楽しい時間って、個人的にはカタチを追及している時なんです。
街を歩いていると、多種多様なカタチの建築が次々に目に飛び込んでくる。様々な背景によって形成されていることは間違いないのですが、そういったことは考えず、ただ単純にかっこいいシルエットの建築に魅了されました。

ブルーンバーグタワー/Pelli Clarke Pelli Architects

タイムワーナーセンター/SOM

バンクオブアメリカ/Cook Fox Architects

ハドソンヤードの都市開発/KPF

ハーストタワー/フランク・ゲーリー

リップスティックビル/フィリップ・ジョンソン

ニューヨークを代表するこれらのタワーは、街のシンボルとして、常に人々の記憶に残るものだと思います。特に、上記のいくつかのタワーは、ストリートを挟んで公園に面していたり、ハイラインと呼ばれるオープンスペースに面していたり、高層建築でありながらも人々のアクティビティに寄り添う部分があるように感じました。

【現代アートが出典されていく拠点】

セントラル・パーク沿いをアップタウンに向かって歩いていると、入場のために並ぶ長蛇の列と共に美しい曲線の美術館が目に入ってきます。アッパー・イースト・サイド特有のエレガントな雰囲気の中にフランク・ゲーリーが設計したグッゲンハイム美術館があります。その自由な造形がもたらす内部空間の多様性が、様々な現代アートにスポットライトをあて、人々の心の寄りどころになっていました。
一方で、SANAAとゲンスラーが設計したニュー・ミュージアム・オブ・コンテンポラリーアートはボワリー周辺にあります。セットバックの法規をクリアしながら、キューブをずらして積層していくデザイン手法には、明確な意図を感じました。

グッゲンハイム美術館/フランク・ロイド・ライト

ニューミュージアム/SANNA

【進化し続ける街】

ニューヨークの街は、これまでもこれからも進化し続けます。あれだけ高密度に建築が立ち並ぶ街でも、様々な開発が絶え間なく進行し、世界中の有名建築家がどんどん新たな設計をこの街に施していく。世界にトレンドを発信しなければいけないニューヨークは、チャレンジ精神を掻き立てられる場所であるような気がしました。

VIA 57 WEST/BIG

ホイットニー美術館/レンゾ・ピアノ

上記のふたつの写真は近年竣工した建築であり、左の集合住宅はBIG(Bjarke Ingels Group)が、右の美術館はレンゾ・ピアノが設計しました。VIA 57 WESTはハドソンリバーに開いた建築の構成が、心地よい住環境を提供している印象があり、ホイットニー美術館はハイラインの玄関口として人々のアクティビティで溢れていました。

【街が一つになる】

ニューヨークには、ブライアント・パークをはじめ、気持ちのいいオープンスペースが点在しています。
平日には、コーヒーとノートパソコンを片手にブレイクする人がいたり、休日には友人や恋人とリフレッシュしたり、少々圧迫感のある高層ビルが並ぶ隙間に、このようなオープンスペースを配置することで人々のアクティビティが溢れ出し、都市との一体感につながると感じました。

休日のブライアント・パークにてリラックスする人々

ハイライン沿いに広がるアクティビティ

【優れた人材を輩出する環境】

未来のニューヨークを支える人材を育成する場所はどんなところなのか?と思い、コロンビア大学のキャンパスにも行ってきました。広大な敷地にクラシカルな建築と管理の行き届いたグリーンスペースが広がっていました。
しかし、一番印象深かったのは、学生達がありとあらゆるところで学業をしていることでした。
当然、彼らの意識が高いということもあるでしょうが、思い立った時に、すぐにパソコンを広げ、ディスカッションができる場所づくりをしているところが素晴らしいと感じました。

大講堂の階段が学生のための場になる

敷地中央の広場

施設として学ぶ場を創るだけではなく、緑を多く配置し快適な環境をつくることが、学生達の意欲をあげることにつながると感じました。

【人種のるつぼと感性の幅】

冒頭でも述べたように、ニューヨークは人種のるつぼと言われる程、世界中から様々な人が集まるということは有名ですが、宗教も文化も何もかもが多種多様でした。これは、ニューヨークのものすごく面白い部分だと思います。自由という言葉が一番あてはまる気がします。

メトロで見かけたユダヤ教徒

ワイドタイのすごくおしゃれなおじさん

【エンターテインメントの価値】

そして、この街にとって、エンターテインメントというものは必要不可欠なカルチャーです。
人々の情熱とエネルギーがこの街の原動力であり、様々あるエンターテイメントの中でも、ネオンでギラつくタイムズスクエアとNBAの観戦に行ってきました。常に世界のトレンドの中心であり続けることが、ニューヨークの一つの姿である気がします。

タイムズスクエアのネオンとワン・タイムズスクエア

マディソン・スクエア・ガーデン

【視察を通して】

今回のニューヨーク視察を通して、一番感じたことは建築・都市と人々の距離の近さです。
オフィスで仕事をし、その合間にオープンスペースでブレイクし、人々の活動が街中に溢れていく。
建築と都市と人々のアクティビティの一連の結びつきの強さをニューヨークでは感じましたし、それこそがこの場所に人を引き付ける魅力なのではないか、と思いました。
今回の視察で学んだことを、今後のプロジェクトに活かすべく更なる努力をしていきたいと思います。
ありがとうございました。次回もお楽しみに。

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