パークタワー西新宿

Park Tower Nishi-Shinjuku

Residential / 2024

用途 Residential
業務内容 Architecture / Landscape / Interior
クライアント 三井不動産レジデンシャル株式会社
設計体制 デザイン監修:光井純&アソシエーツ建築設計事務所
設計・監理:株式会社熊谷組
施工 株式会社熊谷組
延床面積 54,016.37㎡
階数・構造 40F,B1F,RF2F/ SRC造一部S造
所在地 東京都新宿区西新宿5丁目5
撮影 黒住直臣

茜空に染まる「十二社の滝」

敷地は十二社通りに面し、周辺には緑豊かな「新宿中央公園」が広がる。かつてこの地は、「神田川」や「玉川」の豊かな水源が農作物を育み、水景を活かした宿場町や夏の避暑地として栄えたが、現在は無彩色で整然としたビルが立ち並ぶ印象である。当時の水路は埋め立てられ、その姿を見ることはできないが、「十二社の滝」の痕跡が新宿中央公園内の熊野神社に残る。

本計画では、埋め立てられたかつての水景を再生し、無彩色のビル群の中で際立つ、茜空に染まる「十二社の滝」をイメージした「光輝く、躍動感のあるデザイン」を目指した。バルコニー手摺のガラスにはセラミックプリントとカラーフィルムを施し、滝の躍動感を表現。ピッチの異なる横線と円弧のラインを重ね合わせることで、大きな動きのある図形を生み出し、それを「瀑布」の表情と捉えた。図形は1枚1枚異なるパターンで印刷されるガラス技術によって実現している。滝の水しぶきは白色のセラミックプリントで、茜色に染まる風景はカラーガラスで表現し、超高層住環境で求められる眺望を損なわないことにも注力した。

建物低層部とランドスケープにおいても豊かな水景に思いを馳せ、水面の煌めきや生い茂る緑をデザインした「十二社の渓流」を創り出した。また、建物低層部の上部に比重を持たせたボリュームによって地層を表現した建築デザインと取り囲む豊かな緑によって滝つぼに見られる「渓谷」をデザインした。園路空間は木漏れ日や水の煌めき、季節の移ろいを感じる植栽によって演出し、自然形の石の野面積みを用いた植栽帯が敷地全体に「渓流」の有機的な印象を与える。

エントランスホールは、白く柔らかな曲面壁が水の流れを象徴し、壁面の縦スリットやステンレス縦目地によって水が滴る支流を表現した。タワー外装デザインが象徴する滝は、エントランスホール中央の「滝柱」となり、さらに外部の水景へと広がる。エレベーターホールでは水の流れが形を変え、移ろう空間を演出している。23階のスカイラウンジでは、滝の上流を彷彿とさせる水のデザインを施した光壁を用いた他、天井に煌めく無数の光の粒が眺望豊かな空間に浮遊感を演出している。

建築・ランドスケープ・インテリアの全てにおいて「滝」や「渓谷」、「渓流」の表現を一貫してデザインしたことで、この地の歴史を象徴する空間を創出した。住まう人々が潤いのあるレジデンスを体感でき、この地に誇りを持つきっかけとなることを願っている。

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