Brillia 京都五条

Brillia Kyoto Gojo

Residential / 2022

用途 Residential
業務内容 Architecture / Landscape / Interior / MONO-KOTO Design
クライアント 東京建物株式会社
設計体制 デザイン監修(外装・ランドスケープ・共用部インテリア):光井純&アソシエーツ建築設計事務所
設計・監理:株式会社アーキエムズ
施工 株式会社かねわ工務店
延床面積 1,910.17㎡
階数・構造 8F/B1F, RC造
所在地 京都市下京区堺町通五条上る俵屋町216番
撮影 株式会社エスエス

京都に住まう新たな価値を生み出す

敷地は京都市内でも希少価値が高いとされる田の字地区*に位置し、近隣には京町屋や近代建築が多く現存し、京都独自の風景を生み出している。本プロジェクトでは、京都の歴史文化を尊重しながらも、従来の京都らしさにとらわれないモダンデザインを取り入れ、京都に住まう新たな価値を生み出すことを目指した。

コンセプトは「粋(スイ)」と「極み」。
「粋」は文化を自らの内に取り込み、オリジナルに昇華すること。
「極み」はその粋を優れた技術と手法で形にすること。

外観デザインは京町家に見られる水平庇を一層おきに設け、調和と個性を表現した。「いぶし銀」をイメージしたタイルを外観素材に選定し、石目調塗装、金属、ガラスなど異素材を組み合わせ、経年変化、空間の陰影を楽しめる新たな京都の景を描いている。また、通りへの顔となる西面・東面をシンメトリーに構えることで端正かつ風格ある構えとした。さらに南面バルコニー手摺では素材の切り替え高さをスパンごとに変化させ、多用な表情を作り出している。

ランドスケープアプローチからエントランス内部へ繋がる一連の空間デザインは京町屋の空間構成をモチーフに奥深い敷地形状を活かし、人々をお迎えする空間、風が通る空間、光を取り入れる空間を「庭」に見立て、人と自然のつながりをデザインしていった。

アプローチ空間となる「迎えの庭」では季節ごとに空間に彩りを与えるように植栽計画を行い、花の色、香りを楽しみながら住宅へ向かう道行をデザインした。水面を表現した凹凸を施した石張りパターンの舗装とし、自然素材に繊細な人の手を加えることで、新しくも京都らしいランドスケープデザインを探求している。

エントランスの「風の庭」では、屋外から屋内へ連続する木調ルーバーが空間にリズムを生みだし、風が心地よく通り抜ける様子をデザインした。連続する木調ルーバーが作り出す立体的な造形は、敷地から望める京都の山並みをモチーフとしている。またエントランス奥の「光の庭」では、細やかな凹凸が施された金属アートのキラキラした表情や反射する光の効果によって、流れゆく鴨川の煌めく水面を感じさせる演出を行うなど、どちらも京都の美しい風景を落とし込んだデザインとなっている。

この地の歴史文化に敬意を払い、自然素材に繊細な人の手を加えることで、「粋」「極み」を取り入れた新しい京都らしさを体現できたと自負している。

*京都市の四条烏丸の交差点を中心として北端を御池通、東端を河原町通、南端を五条通、西端を堀川通に囲まれ、烏丸・河原町といった商業地区や観光地を擁するおよそ2平方キロメートルの地区を示す俗称

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