Community Center For Recreation And Learning
| 用途 | Mixed-Use, Healthcare, Culture & Community |
|---|---|
| 業務内容 | 建築 / ランドスケープ / インテリア / ものことデザイン |
| クライアント | 岩国市 |
| 設計体制 | 設計:光井純アンドアソシエーツ+オオバ設計企業体 監理(意匠):光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所 |
| 施工 | 奥村組・大島組特定建設工事共同体 |
| 延床面積 | 8,276.56㎡ |
|---|---|
| 階数・構造 | 2F, S造(一部RC造) |
| 所在地 | 山口県岩国市黒磯町2丁目9-1 |
| 撮影 | 黒住直臣 |
| 担当者 | 守屋 良則, 岩田 一成, 松本 賢, 遠洞 躍斗, 佐藤 桂火, 鳥山 愛理, 山本 菜月 |
瀬戸内海と山並みに開かれた公共の場
本計画は山口県岩国市黒磯町にある約10haの岩国医療センター跡地を活用し、新たな公共施設として整備するプロジェクトである。岩国市は市町村合併により、同規模・同用途の公共施設が市内に分散していたことから、維持管理費の増加や機能の重複が課題となっていた。そこで本計画では、複数の機能を併せ持つ複合施設を整備し、効率的で利用しやすい公共施設づくりを目指した。
計画地は眼前に瀬戸内海が広がり、背後には雄大な山並みを望む、豊かな自然環境に恵まれた場所である。また、一年を通して日の出を望むことができる立地でもあり、こうした景観や自然条件を建築計画の大きな手がかりとした。建物中央に設けたガラスアトリウムは、春分・秋分の日の出軸にあたる真東から真西方向に配置され、瀬戸内海と山並みをつなぐ施設空間の中心となっている。さらに、建物の平面形状を大きく瀬戸内海に開かれた構成とし、夏至と冬至の軸も取り入れることで、この場所の光や方位の特性を建物全体に反映している。本施設は科学センターと福祉センターが一体となった複合施設であり、子どもからお年寄りまで幅広い世代が利用できる施設として計画している。科学センターには、子どもたちが科学の楽しさを体験できる展示や、サイエンスショーを開催できるスペースに加え、実験室や工作室を設けている。実験室からは直接外部の自然観察池にアクセスできる構成としており、屋内での学びと屋外での体験が連続する計画としている。福祉センターにはスポーツや劇場としての利用が可能なホール、市民が気軽に利用できる大小さまざまな多目的室を配置している。また、入浴施設には市内に整備されていた高齢者向けの機能を継承しつつ、より幅広い世代が利用できるよう再整備している。ランドスケープには、科学遊具やインクルーシブ遊具を取り入れ、誰もが楽しめる環境を整えている。
一方で、計画地は2018年の西日本豪雨の被害を受けた場所であり、土砂災害警戒区域の指定を受けていた。そのため建築計画に先立ち、土木造成によって警戒区域の解除を行い、安全性を確保したうえで建物を配置した。本計画では、土木と建築を一体として計画することで、敷地全体の条件を整えながら空間を構成している。造成により敷地全体は雛壇状となり、最大10mを超える高低差が生まれた。このような大きな高低差を有しながらも、眼前に広がる瀬戸内海と背後の雄大な山並みの双方を楽しめるよう、建築もまた敷地に呼応した雛壇状の構成とした。地上2階建てでありながら、内部には5つの床レベルを設けており、眺望を確保しながらも中央のガラスアトリウムを基点にスロープと階段によってすべてのフロアへアクセスできる使いやすい構成としている。
瀬戸内海と山並みに開かれた雄大な自然の中で、幅広い世代が集い、学びながら、それぞれの時間を心地よく過ごせる交流の場となることを願っている。