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京都悠洛ホテル二条城別邸 Mギャラリー(現:ギャリア・二条城 京都)

Kyoto Yura Hotel MGallery(now known as Garrya Nijo Castle Kyoto)

Hotel / 2020

用途 Hotel
業務内容 Architecture
クライアント 合同会社二条
設計体制 基本設計・外装デザイン監修:光井純&アソシエーツ建築設計事務所、実施設計:大成建設株式会社
施工 大成建設株式会社
延床面積 2,238.3㎡
階数・構造 4F/B1F, RC壁式構造
所在地 京都府京都市中京区大宮通御池上る市之町180−1
撮影 株式会社ナカサアンドパートナーズ

「奥」の先に隠された特別な滞在

本プロジェクトは、京都・二条城を北側に臨む全25室のホテルである。京都三条に先行完成している京都悠洛ホテル Mギャラリーの別邸として計画された。前面に二条城が広がる素晴らしいロケーションを最大限に生かし、歴史的瞬間の舞台となってきた二条城に敬意を払い、離宮建築に宿る「奥」の概念をコンセプトとした。私たちは、離宮建築の持つ空間的特徴を取り入れた計画を考えた。
建物を大きく3つのボリュームに分け、それぞれを少しずつ南北に雁行させることで奥行きのある中庭を確保し、京都の町屋らしい街並みのスケール感に馴染ませている。建物はできる限り南側へ寄せ、北側に大きな庭を設えることで、内部から二条城を借景に庭を臨めるようにし、奥行きのある景色をつくり出す配置とした。さらに、北面に客室を開くことで全ての客室から二条城を臨むことができる計画としている。
外観デザインにおいては、景観条例の厳しい京都の勾配屋根の規制を生かし、あえて建物全周に大小2重の勾配庇を設えた。コンセプトである「奥」の考えを二重庇の屋根として表現し、水平ラインを強調し軽やかな印象ながら陰影のある外観をつくり出している。下段の小庇は客室内天井と素材を合わせ、外への広がりを感じられる設えとしている。外壁には特注のタイルを使用し、荒い自然の骨材と、下に向かって斜めに飛び出た形状にすることで、自然光によってさらに陰影が際立つよう工夫した。かつて二条城でも使われていた柿葺(こけらぶき)のように、自然素材の重なりで生まれる繊細さを表現している。
ホテルのゲストが趣のある静かな西側の車寄せから入り、竹垣に沿って細い路地を進み、奥にある扉を開けると、初めて庭のパノラマが目の前に広がる変化のある道行空間を演出した。周囲を堀や木々で守られた中に華やかで心地よい暮らしを持つ二条城に倣い、外からは見えない隠されたゲストのためだけの特別なおもてなしの空間を感じられるつくりとなっている。

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