Tokyo International Airport Terminal 3
用途 | Airport, Public, Commercial |
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業務内容 | Architecture / Landscape / Interior |
クライアント | 東京国際空港ターミナル株式会社 |
設計体制 | 羽田空港国際線PTB設計共同企業体(梓設計+ペリクラークペリアーキテクツジャパン+安井建築設計事務所) |
施工 | A・B工区:鹿島・北野 特定建設工事共同企業体、C工区:戸田・鴻池 特定建設工事共同企業体 D工区:清水・東急・ロッテ 特定建設工事共同企業体 |
延床面積 | 224,148.158㎡ |
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階数・構造 | 旅客ターミナルビル:5F, S造/RC造/SRC造、駐車場棟:7F, RC造 |
所在地 | 東京都大田区羽田空港2-6-5 |
撮影 | 黒住直臣 |
Award | CASBEE S |
国際空港は、海外から来られるたくさんのお客様にとって、ある意味で日本の第一印象をつくり上げてしまう非常に重要な施設である。したがって利便性、案内性のよいことはもちろん、日本文化の顔として、建築デザインや施設中に設置されるアートなどに十二分の配慮を行うことが必要である。特にアジア方面からの訪問が多いことを考えると、中国や韓国を起源とし、その影響を色濃く残す日本文化の表現については、日本の独自性を明確に感じられるものでなくてはならないと考えた。アジアとしての近似性、あるいは漢字文化圏の中での建築デザインの近似性について了解しながらも、その中に潜む日本の独自性を明確に切り取って現代デザインとして表現してゆくことが重要なことであった。
我々は、時を経て共有している日本人の感性に響く形を、自然景観の中から抽象化して引用することによって、国際空港のデザインを生み出すことができるのではないかと考え、日本の風土、そして自然環境、すなわち豊かな水や四季の変化で生活してきた日本人の中に、長い時間を経て育まれてきた“感性の遺伝子”に響くデザインを様々に表現した。 海に囲まれながらも、季節の変化にも恵まれていて豊かな水の国、日本。秋になると、空気は乾き、高い空に架かる筋雲を見ることができる。3階出発ロビーの大屋根の形は、この筋雲の空のイメージを形にしたものである。構造的には懸垂曲線になっていて、富士の裾野の輪郭線を暗示するデザインとなっている。また、雲の間から光が落ちると、光柱と呼ばれる気象現象が発生するが、今回の大屋根には、光の切れ目を作り出して、コバルト色の床に落ちる光柱のような印象的な演出としている。
施設内の各所に配置された千住博氏のアートでは様々な「水」の姿が表現されていて、3階出発ロビーの大屋根から施設全体にかけて、一環して日本の豊かな水の循環を、全体のテーマとして建築とアートのコラボレーションに展開することが出来た。
長い飛行機の旅から開放された人々が、最初に目にする日本の自然の風景を目の当たりにして、日本の感性をほのかにしかし着実に感じてくだされば、この上ない喜びである。
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