仙台宮城野ビル

Sendai Miyagino Building

Office, Hotel, Commercial / 2020

用途 Office, Hotel, Commercial
業務内容 Architecture / Interior
クライアント 宮城商事株式会社
設計体制 デザイン監修:光井純&アソシエーツ建築設計事務所、設計・監理:株式会社フジタ
施工 株式会社フジタ
延床面積 13,732.77㎡ 
階数・構造 16F, S造
所在地 宮城県仙台市宮城野区榴岡3-7-33
撮影 株式会社エスエス

杜に吹く風

仙台駅から東へ延びる宮城野通りに面した複合ビル(オフィス、ホテル、店舗)の計画である。2016年、仙台駅東西自由通路の拡幅再整備が完了し、改札口の新設、商業施設の新規オープンと駅東口のイメージは大きく変化した。駅に生まれた賑わいが、通り沿いに連続していくことを願い「杜に吹く風」をデザインコンセプトとした。初めて敷地を訪れた初夏の宮城野通りは、噴水や水景のせせらぎが心地よく、大きく育った街路樹のケヤキの葉は軽やかに揺れていた。

宮城野の 本あらの小萩 露を重み 風を待つごと 君をこそ待て /古今和歌集 詠み人知らず

通りには宮城野を詠んだ歌十首の碑が路面に設置され、そのうちの半分は「風」が詠まれた歌である。宮城野は平安の昔から歌枕として詠まれ、都人も思いを馳せた地であった。我々は「風」を連想させる柔らかな曲線と方向性を伴った平面形状、縦基調の白いストライプがグラデーショナルに変容するファサードにより、一枚の布が風にそよぐ軽やかなイメージをつくり上げた。

このビルが宮城野通りの賑わいの連鎖と新たなまちづくりのきっかけとなることを願っている。

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