2016年秋にオープン予定の「フォーシーズンズホテル & ホテルレジデンス京都」において、我々は南棟・北棟エントランスの車寄せ部分のデザインをした。京都という特別な場所でゲストをお迎えする精神を、この車寄せ空間で表現しようと、我々は繊細なデザインを試みた。デザインにあたっては、人々をホテル空間にお迎えするときのシーンを想定し、日本古来からある和傘をモチーフとしている。和傘は日本の技術でできた工芸品であり、繊細な骨組による構成である。今回の車寄せも、工芸品の様な繊細な骨組とし、傘を重ねて出来た屋根により大きな空間を分節させて、ホテルを訪れるゲストを包み込むお迎えの空間としている。さらに、京都市の風致地区の基準にしたがって屋根形状を設え、周辺の景観に合わせた構成とした。

構造体は、和傘の骨組をイメージし、鉄骨と木材による仕上げ、天井は傘の部分を放射状に見立て、木材で細やかに表現している。