空調設備を主軸とした建築設備の設計・施工/保守、リニューアルまでをワンストップで行う高砂熱学工業の新たな拠点「T-Base^®」内のオフィスデザインプロジェクトである。

建設業の特徴である「現場ごとの『施工管理』」から、「プラットフォームを中心とした『生産管理』」へ、施工の在り方を変革する「T-Baseプロジェクト」の企画・生産・物流等の中核を担う拠点「T-Base^®」において、その理念を空間デザインに落とし込んだ。

クライアントの持つ明確なデザインビジョンの中で、一際フォーカスされた要望が「インダストリアルを感じるディテール」、そして「どこを切り取っても絵になる空間」であった。

これらの要望を達成するために、ブラックスチールやラフな木調等のマテリアルを採用し、全体をモノトーンのカラースキームで構成したインダストリアルな空間の中で、核となるデザイン要素を「Frame」で囲い「絵」をつくっていくデザインを展開していった。床・壁・天井・造作家具、そしてサインなど、様々な表情に変化され「Frame」というデザインアイコンが空間に散りばめられている。

執務エリアでは、中央カフェエリアに求心力を持たせるレイアウトにより、コミュニケーションを自然と誘発させるデザインとした。オープンでありながら適度な囲み「Frame」を持たせたデザインは、オフィス空間にあるべき集中と交流のバランスを保つ役割を果たしている。

クライアントの高い理念のもと創造された施設の中で、「Frame」に囲われたそれぞれのシーンが絵画のように誇れる空間となることを願っている。