本計画は築33年のオフィスビル共用部の改修業務である。
通りに対して建物間口がピロティ空間として大きく開かれている特長を生かし、「URBAN FOYER」というコンセプトのもと、デザインを空間へ落とし込んだ。

本建物は経年劣化している個所も多く、特にピロティ空間からエントランスにかけて暗い印象であった。そこで、明るく清潔な印象に一新することを最優先の命題とし、ここで働く方々が、心地よく利用できる環境を作るために、自然に寄り添う「バイオフィリア」のアイディアをデザインに取り入れた。

具体的には、明るい色調の木調天井によってピロティからEVホールまで内外を連続させ、来訪者を内部に導くデザインとした。また建物と通りを隔てていた植栽帯は一部撤去し、代わりに階段を設けることで、閉鎖的だった1Fテナントへのアクセシビリティを向上させた。植栽も混色によるカジュアルな印象の樹種に植え替え、来訪者を迎える顔として、明るく爽やかな植栽帯をデザインした。
リニューアル1期として、今回は１Fのみの改修であったが、都市に対して新しい顔を作りだし、文字通り「URBAN FOYER」を具現化している。